小林可夢偉
小林可夢偉が、2010年開幕戦F1バーレーンGPを振り返った。

オープニングラップで12位まで順位をあげた可夢偉だったが、12周目にハイドロリックにトラブルが発生。ザウバーでのデビューレースをリタイアをリタイアという結果で終えた。

「う~ん、正直めっちゃ悔しい開幕戦になってしまいました」と小林可夢偉は振り返る。

「自分ができることは全部やって準備してきたんですが、結局のところ金、土、日の3日間、クルマの問題を解決することに精いっぱいで、自分の好みにセッティングを煮詰めていくという状態ではなかったです」

バーレーン・インターナショナル・サーキットは、今年からレイアウトを変更。新たに追加されたセクションではバンプが酷く、ザウバーだけなく多くのチームが苦しんでいた。可夢偉は、マシンのグリップ不足を指摘した。

「症状としては全体的なグリップ不足。これはまずいですね。木曜日の夕方にエンジニアのフランチェスコたちと新しくできたセクター2を下見に行ったんですが、金曜日フリー走行で走り始めたときから、ここでまともに前が見えへんくらいクルマの底打ちがひどくて、どこに飛んでいくのか分からないくらい跳ねて、ライン取りとか全然思ったどおりに走れなかった。たとえばバンプだけやったら、いろいろ出来るんですけど、とにかくグリップがないから跳ねたときに怖い。ただ、その原因がそもそも本来持っているグリップがなくなることに問題があるのか、最初っからグリップしていないのか…。予選で2秒も離されるのはおかしいですから。ともかく全体的にグリップをあげないといけない。単純に。めっちゃ難しいですけどね」

「そういえばドライバーズパレードの時に、ジェンソン(バトン)からも『おまえのクルマめちゃくちゃ跳ねてるなぁ』と言われましたよ(苦笑)。マクラーレンはストレートがめっちゃ速かった。時速10キロは違いましたよ。予選が終わったときに悪い夢が全部本当になってしまったような気がしたんですけど。決勝レースも、なんかテスト長めのランをやったぐらいで終わってしまいました」

16番手からスタートした可夢偉は、プライムタイヤ(硬い方のコンパウンド)を履いてスタートした。

「スタートは路面の汚れがひどい偶数側で、グリップしなくてホイールスピンが多くて良くなかったんです。1コーナーでインに入ったら、前で白煙が上がってまわりが真っ白になって、とにかくどこにクルマがいるか分からんから、みんな異様な動き方をしながら行きたい放題という感じでした。ただ、みんなが慌ててよけている間に、僕は普通にコースを走って前に出ました」

「ただそのあとプライムタイヤがなかなか温まらなかったんです。前にいたクルマはみんなオプションタイヤを履いていたから、タイヤの暖まりも早かったんだと思いますけど、彼らについていこうとちょっとプッシュしすぎて、ブレーキでタイヤをロックさせてフラットスポットを作ってしまったんです。オプションタイヤでスタートしていたペドロを前に出した時も、僕の方があとでオプションタイヤをつけるから気にしてませんでした」

「なんとかあと4~5周走って、オプションタイヤに履き替えて、残りの200kmをもっと速いペースで走る予定だったんですけど、その前にクルマが壊れてしまいました。油圧はいきなり落ちて、ひとつのコーナーでまずパワステがなくなったあと、ギヤが2速から変わらなくなったんです。コースサイドに止める場所がなかったから、どうしようかなぁと思って、結局GP2のピットレーンに入って止めました。決勝でのクルマは予選ほどひどくはなかったですね。オプションのペースがどうだったか見たかったです」

「このコース、去年のトヨタは速かったですよね。すごいバランスがよかったんです。でも今回のクルマはセクター2がなくてもあんまり速くない。たぶんグリップさえしたらバンプも落ち着くと思う。それを頑張ってやってたんですけどね。とりあえず僕はメカニカルをなんとかしてくれたら大丈夫やからと言いました」